帝一の國

f:id:koumeiotaku:20180214021604j:image

やっべー普通に面白かった
去年は銀魂実写版があったから霞んでるけど、ザ・日本映画な感じでよかった!
評価は金に換えてはいけないこと・評価経済貨幣経済の上位概念であることがわかりやすく描かれていた(当たり前のことだけど、意外にそんなことすらわからない奴もいるけど)
独裁制vs民主制の対決とか、シリアスをコメディで伝えられる日本らしさが活かされてた
だからこそ2点疑問が。
1つは、最後のオチは不要かな。オチの1つ前のオチでいいじゃん、そうじゃなきゃ真の自己実現欲求の話はどうなっちゃうわけ?あれウソなの?ってなる
もう1つは、これが組織論のギャグであることが若干わかりにくくて、人によってはこの茶番がメタではなくベタに受け取る人が多くてむしろそのギャグの部分をシリアスに取られてしまう可能性があること
個人的には半沢直樹が今の40代以降には切実な出世の話かもしれないけど若い人にはあんな出世ゲームが茶番であること、真の勝ち組はサラリーマンというゲームから離脱して起業するというリアリティがあるように、半沢直樹へのアンチテーゼとしての大鷹弾がベタに生徒会長の椅子取りゲームをやってること、そして主人公のラストのリアリティの無さこそがこの映画が所詮フジテレビ的な「体制側」であることを露呈してしまっている
要はイマドキ政治家になって総理大臣になりたいなんて奴はないしそんな奴ははっきり言って二流人材しかいないような世界で、「あえて」政界を目指すという設定を持ち込み、そこからはみ出すことが、その世界の外側に出ることが世の中を変える一番の近道なのだ、というメッセージが、半沢直樹のイマドキサラリーマン社会で出世街道を勝ち抜き役職を勝ち取りたいという発想の人間は二流人材であり、一流人材はとっくに起業しているという時代であえてあれをやってるという風に若者はメタ的に見るが中年以降はベタ・ガチで見ているという皮肉を、この作品に感じるのか感じないのかの感性の話なのだけれども。
残り10分で内容がある意味真逆になっているのが惜しい